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Jリーガーのお金事情

更新日:2023年6月10日

近年、男の子の「なりたい職業ランキング」でトップに君臨するのが、「サッカー選手」だ。しかし、プロサッカー選手たちの現状は、キラキラしたものではないのかもしれない。2020年の日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)1部の選手の平均年俸は、約3,400万円、(イニエスタら外国人選手がかなり押し上げているので日本人選手の平均はさらに下)。これが2部(J2)になると各段に下がり、平均年俸は400万円強。さらに3部(J3)では、平均値が算出できないほど危うい状況になっていく。(ちなみにスペイン1部の年俸平均は約2億8万円であり、プレミアなどは4億を超える。)



 J3のクラブチームは、「プロ契約選手の保有人数が3人以上」という規定になっており、プロとアマチュア(無報酬)の選手が入り混じっている。プロ契約でも年俸の下限はなく、ほとんどの選手がアルバイト(副業)をしながらプレイしているのだ。しかも、引退後のセカンドキャリアはさらに厳しい。子供たちの「夢」を叶えたはずの男たちに、どんな「現実」が待ち構えているのか。


プロサッカー選手になれたとしても、年俸の上限がない「プロA契約」は1チーム原則25人までと人数が限られている(J1チームは15人以上、J2チームは5人以上)。「プロB契約」と、「プロC契約」の年俸は、上限が480万円。その結果、J2ではサラリーマンの平均年収ほど、J3ではフリーターのような稼ぎにしかならないのだ。

 しかも、Jリーグの平均引退年齢は25~26歳。一部のトップ選手を除けば、プロ契約を結んでもサッカーでリッチな生活を送るのは難しい。


選手として稼ぐことが簡単ではない彼らは、引退後のセカンドキャリアでさらに苦しむことになる。


引退したJリーガーたちが、真っ先に考える仕事はサッカーコーチだ。Jリーグチームの下部組織を含めて、少年たちにサッカーを教えるクラブは多く、就職先には困らないと聞く。しかし、Jリーグの人気クラブでもコーチの給料は高くない。「25歳で月給20万円」くらいが一般的だ。さらに、仕事を長く続けたからといって、給料はさほど上がらないうえに、単年での業務委託契約がオーソドックスだ。

 そのため、家族を養っていかなければならない年齢になると、一般企業に転職する人も少なくない。だが、そこにたどりつくまでの道のりも困難だ。


20代前半なら第二新卒という立場で、未経験でも可能性のある人材を採用する有名企業はそこそこある。しかし、30歳近くになると、ある程度の企業に転職するのは困難だ。当然、ビジネスパーソンとしてのキャリアがあれば、何歳でも転職はできるのだが、サッカー選手・コーチというキャリアは“スペックなし”とみなされ新卒と変わらないキャリアで、年齢だけは上というのが現実となっている。

ひとりなら月20万円でも生活はできると思うが、結婚すると家族のことを考えて、サッカーコーチよりも給料のいい会社に転職しようと考える人も多い。ただし、サッカーで得た知識や経験を生かせる仕事を探すにしても、ビジネスパーソンとしての実績がなければ厳しい。そのため、サッカーのキャリアは関係なく、単に求人のある会社に入るという感じになる。それでも、サッカーコーチよりは給料が安定しているし、週休2日という条件に感動する人もいるほどだ。日本において、サッカーで一生食べていくということは、ほぼ無理なのが現状だ。


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