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日本人の弱点が日本サッカーを弱くしている

意外に思われるかもしれませんが、日本とブラジルの子どもを比べたときに、トラップやドリブルなど、細かい技術レベルはほとんど差がありません。もちろん驚くような技術、アイデアを持っている子どももいますが、それは日本の子どもたちにも言えることです。

むしろ、ボールを足元に置く技術や細かなドリブルは、日本の子どもたちのほうが上かもしれません。

そもそも代表レベルにおいても、日本代表の“技術力”は世界レベルだと言われています。細かいボールタッチの技術やアジリティを活かしたドリブルは、日本人のストロングポイントです。ブラジル人に遜色ない技術を日本の子どもたちは持っていると言えるでしょう。

しかし、メンタルの部分においては、明確な差があります。ブラジルの子どもたちは、とにかく負けず嫌いが多い。ピッチ上では度々口喧嘩が起こります。喧嘩相手はたいていがチームメイト。「なぜパスをしないんだ!」「じゃあお前はしっかりディフェンスしろよ!」といった内容を激しく言い合います。シュートに躊躇してチャンスを潰そうものなら、チームメイトからの容赦ない罵声が浴びせられます。

華麗にゴールを決めた際には、仲間同士抱き合って喜びを爆発させていたので、もちろん仲が悪いわけではありません。

思ったことは我慢せずに口に出し、とにかく「負けたくない」という思いからガムシャラにプレーする。 彼らを“未熟な子ども”と捉えることもできます。しかし、その姿は実に子どもらしく、純粋そのもの。

日本の子どもたちを見ていると、チームメイトはもちろん、指導者や保護者の顔色を伺っているのか、感情を表に出さぬまま黙々とプレーする子どもが多いように感じます。

言い換えれば、“子どもらしさ”が足りない。負けず嫌いという人間の本能を、胸にしまい込んだままプレーしているのではないでしょうか。

試合に負ける、シュートに失敗する、ドリブルで置き去りにされるなどといった失敗経験は、サッカーをしていれば必ずあります。それに対して、「悔しい」「次こそは」といった負けず嫌いの感情を次のプレーに活かさなければ、さらなる成長は見込めません。

このような現状を、「日本人は恵まれた環境にいるためハングリー精神は育たない、国民性は変えようがない」と結論付けるのは容易です。

しかしそれでは、サッカー界の発展および子どもたちの成長に繋げることはできないと思います。

打たれ弱い、遠慮がち、周囲の目を気にし過ぎるなどといった「メンタル面の弱さ」は、サッカー日本代表の課題の一つでもあり、日本のサッカー界が持つ喫緊の課題のひとつでもあります。

子どもの発育段階に携わる“教育者”あるいは“親”という立場としては、サッカーをしている間くらいは、我慢などせずに、本能のままに子どもらしく、負けたくない気持ちを前面に出したプレーをさせてあげないといけない。


では、そのような環境を作るためにはどのようにしたらよいのでしょうか。一番は、個性を尊重し、ありのままの子どもの姿を褒める姿勢ではないでしょうか。

「みんなちがって、みんないい」とは金子みすゞさんの言葉ですが、子どもたちの本能・個性にフタをしてはいけません。出る杭を打ってはならないのです。

子ども同士の少々の喧嘩や自己中心的なプレーを、安易に咎めてはいけません。大人の目を気にしてしまう環境を作らないことが大切だからです。言い換えれば、子どもたちが子どもたちらしくプレーでき、各々の“負けたくない気持ちを存分に発揮できるような環境を作ること。場合によっては収集がつかないほどの激しい言い合いが起きるかもしれませんし、試合後に悔しくて泣きわめく子もいるかもしれません。

しかしそんな姿はブラジルでは日常茶飯事です。喧嘩した子も泣きわめく子が、異端児や悪者として扱われることは決してありません。子どもたちが練習や試合の中で感じる“悔しい”という感情は、大事な成長の種です。


ブラジルのように、その種に水をやり育てる環境があれば、日本の子どもたちはさらなる成長を遂げることができるのではないでしょうか。


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